クルマ好き、mr.kawachanのサン!SUN!ブログ

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しくじったアストンマーティンのシティコミューター「シグネット」(2011/9)


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 アストンマーティントヨタiQをベースに小型車を販売したのは、2011年のこと。iQの2倍の価格で売られた、日英ハーフの5ナンバー車。小型車をラインナップしたかったアストンマーティンが目を付け、2013年まで発売していた。アストンマーティンシグネットに課した命題、それは「理想的な都会の足」となること。大型車が多いアストンマーティンユーザーの足になる、そんなポジションを目指したのだ。カタログにも、ラピードがシグネットと一緒にガレージに収まっており、セカンドカーとしての存在感をアピールしていた。


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もちろん、アストンの一員であることを順守するため、インテリアは同等の品質を提供。テイラーメイドで仕上げられた4座席のシートにルーフヘッドにはアルカンターラを使うなどの贅沢ぶり。機能面も抜かりなく、自動室温制御やBluetooth内臓ポータブルカーナビシステムが入っていた。


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ここで、気になることがひとつ。エクステリアはその後に記述されているのだが、これはアストン自身が手掛けたモデルではないため、主張を控えたのではないだろうか。iQのプロポーションを生かしながら表現された"らしさ"は、不思議な存在感を放っている。安全性にも記述しているが、これはiQのポテンシャルが高いこともあるので、ここでは割愛。続いて、カラー。と言いたいところだが、ここでもアストンらしさが。
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あくまで用意されているカラーは一部にすぎず、オーナーの望む色があるなら、その色に限りなく近づけることができるのだ。気合いが違いすぎる…笑。インテリアに至っては、素材から多彩に選べるという豪勢ぶり。グレードはモノグレードで、CVT/6MTから選べた。

アストンマーティンがこのモデルを終了した理由として、販売予想を大幅に下回ったと言われている。年間4000台を売る計画のところ、150台も届かなかったとされ、ユーザーのセカンドカーニーズを満たせなかったのが敗因だという。アストンらしさは100点でも、届かなければ意味はない。クルマを売ることの難しさを、このクルマはアストンに教えたのだった感。苦汁をなめたアストンマーティンはその後、小さなモデルを出す予定はなさそうだ。